高血圧症治療薬の選び方

2019年06月29日
血圧測定器

高血圧症の第一選択薬として、現在使われている薬は5種類あります。
カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンII受容体阻害薬(ARB)、アンジオテンシン転換酵素阻害薬(ACE)、利尿薬、β遮断薬の5種類です。
このうち、ファーストチョイスとしてよく使われるのが、カルシウム拮抗薬とARBです。
併用も含めると、高血圧患者さんの7割以上がこのどちらかの降圧薬を服用しています。
降圧剤が1剤だけで目標の血圧値となる高血圧患者さんは3分の1ほどで、多くの高血圧患者さんは、2剤や3剤以上の高血圧症治療薬を併用して血圧をコントロールしています。
高血圧症治療薬には、それぞれ特徴があります。

カルシウム拮抗薬は、糖質代謝や脂質代謝に影響を及ぼさないので、糖尿病や高脂血症(脂質異常症)を合併している患者さんにも使いやすいです。
ARBやACEは、脂質代謝を改善する働きもあるので、高脂血症を伴う患者さんによく使います。
しかし、血液中のカリウム濃度が上がりやすいという副作用がありますので、服用中は定期的に血中カリウムを測定する必要があります。

β遮断薬は、糖質代謝や脂質代謝を悪化させる可能性があります。
利尿薬は、糖質代謝や脂質代謝を悪化させる可能性があり、血中カリウムが低下しやすくなります。

また、それぞれの薬には禁忌があります。
カルシウム拮抗薬は除脈(脈が遅くなる)の人には禁忌、利尿薬は高尿酸血症や痛風の人には禁忌、β遮断薬は喘息の人には禁忌など、いろいろと禁忌があります。

医師は、高血圧症治療薬を投与する際は、患者さんの病態や合併症などを考慮して、多くの薬の中からベストのものを選択します。
専門医でも薬の選択が難しいことが少なくありません。

「3種類も高血圧症治療薬が必要なわけがない。
2種類で充分だ」などと、自己判断で薬を減量するのは危険です。
薬に対する疑問点は、必ず医師に尋ねてください。